近くて遠い友人との再会

僕には幼馴染みの友人がいる。家がとても近くて同い年のSだ。
幼稚園の入園式以来の仲でいつも一緒に暗くなるまで遊んだ。
しかし小学5~6年生の頃になると価値観が変わったのか段々遊ぶ回数も減りだし、
中学3年生の時に初めて同じクラスになったがたまにしか話さず会話が弾んでいないのが伝わった。
高校は別々になりSを見掛けると隠れて会わない様にしたほど気まずい関係になってしまった。

 

最後にSに会ってから十数年が経ち、お互い何処に住んでいるのか、どんな仕事をしているのかも分からない
「昔の同級生」的な存在になっていたある日、僕の実家にSから結婚式の招待状が届いた。
気まずい関係だったとは言え別に喧嘩したわけでもないし色々な思い出もある。
何よりもめでたい事なので悩む必要も無く出席を決めた。

そして今年の5月、式場に入ると少し離れた場所にSがいた。
目が合い僕は手を軽く挙げたらSも「おぉ、Y!久しぶり!」と喜んでいた。
写真撮影やらでそれ以上話せず結婚式が始まり披露宴へと続いた。途中新郎新婦の生い立ちがスクリーンで紹介され、
そこに僕とSが一緒に遊んでいる写真が写し出されるとその瞬間何か込み上げる思いになり泣きそうになった。
そして引き出物の中にはSの電話番号とメアドが記された紙が入っていた。
もう疎遠になっていた空白の日々は全て埋まった。